2015年1月1日木曜日

スイス・ロマンド管弦楽団/ アルゲリッチを回想する

 人見講堂 1987.11.09

指揮者:アルミンジョルダン

ピアノ 演奏者:アルゲリッチ

作曲:ラヴェル

演題:
スペイン狂詩曲
ラ・ヴァルス
ボレロ
ピアノ協奏曲ト長調ピアノ

アルゲリッチ
1965年ショパン・コンクールで優勝したが、格別の驚愕をもって受け入れられた。彼女の荒れ狂う絶叫の音色、音量は話題性があった。ラヴェルは彼女の得意な作曲家であり、この日も艶のある演奏で、さすがアルゲリッチだナと思わせた。
アルゲリッチのモーツアルトは、録音でも聴いたことが無い。やや空虚に感じた。

スイス・ロマンドは、国内のフランス語圏であるスイス・ロマンド地区に常設の楽団をもうける趣旨で名ずけられたが、アンセルメの指導により発展し、財団組織を運営している。

ジョルダンは、スイスのルッエルンの生まれだ。私は1度だけ訪れたが風光明媚なこの街の空気を思い出さずに居られない。ここには音楽が自然発生していると思った。

フランス国立放送管弦楽団演奏会を回想する

東京文化会館1966.10.8

シャルル・ミンシュ
指揮シャルル・ミンシュ

独奏:ニコール・アンリオ・シュバイツァー

演題:
シューマン/交響曲第4番ニ短調OP.120

ドヴィッシ―/交響詩「海」

プロコフエフ/ピアノ協奏曲第2番OP.16

ラヴェル/「ダフニスとクロエ」組曲第2番


シューマンは交響曲を4曲かいたが、最後の曲でなく、若い頃の作だ。私にはシューマンの交響曲はよくわからない。
「海」は、3つの情景からなり彼の絵画的音楽スケッチである。海の表情の豊かさを、見事に描いている。
海を題材にしている音楽は極めて少ないと思う。

私の好きな曲の一つに、イベールの「寄港地」があるが
これも海の表情を良く捉えた名曲だと思う。

プロコフエフの2番は若き日の彼の本領をよく発揮した曲である。ピアニストはミンシュのお気に入りある。

ラヴェルの「ダフニスとクロエ」は、バレエ組曲で、感性の鋭いフランス的音楽だ。

これらの演奏を通して、ミンシュの完成度の高い音楽が、作品にひたむきに立ち向かう意欲と説得力を感じさせる。アルザス生まれの彼はフランスとドイツの両方の文化を体得したが、特にフランス音楽に対する輝かしい音彩はラヴェルやドヴィッシーで発揮される。
当年74歳の指揮台に向かう足どりは年齢を感じたが指揮が始まると若々しくさすが巨匠と思わせた。

私は、パリ管弦楽団を指揮の「ベルリオーズ:幻想交響楽」1967年版を聴いて最高の演奏と思っているが、その演奏の弦の響きはミンシュならではの音楽を聴かせてくれる。



ロンドン・フイルハーモニー管弦楽団演奏会を回想する

東京芸術劇場  1992.3.3

指揮クラウス・テンシュテット

ベートーヴェン
演奏:ロンドン・フィルハーモニー管弦樂団

演目:ベートーヴェン/交響曲第6番作品68「田園」

ベートーヴェン/交響曲第5番作品67「運命」

ベートーヴェンは、第5番「運命」で人間の内面の世界を、第6番「田園」で自然と言う外的な対象に目を向けた。「運命はこのように戸をたたく」とベートーヴェンは言ったがこのアレグロの「運命のモチーフ」が強く全曲を貫いている。

第6番「田園」は、彼が遺書を書いたハイリゲンシュタットののどかな美しい自然のなかに自分を置く喜びに満ちた曲だ。すでに耳の状態が悪化していたベートーヴェンにとり、自然は何にも勝る良薬だったに違いない。楽章は1.「田舎に着いた時の愉快な気分」、2.「小川のほとり」、3.「田舎の人たちの楽しい集い」、4.「雷と嵐」、5.「牧歌。嵐のあとの喜びと感謝」である。

内田光子語録回想    示唆に富む・・・

1.日本語は粒のそろったドングリで、ことに抑揚は、重い軽い、長い短い、その組み合わせの変化がほどんとない。むしろそろえることに異常に気を使う。音楽はそろっていないんです。

2.モーツアルトの世界というのは、彼は人を愛することを知っていた人なのです。彼の音楽にあるクオリティの一つは、どんな孤独の時でも、大変身近な愛する人と会話があるのです。

3.シューベルトは、死と直面して生きていますが、彼の人生の中にも幸せの一瞬があり、その瞬間を想像力の中で生かすことが出来るのです。シューベルトは、また会いましょうがなく完全な消滅の別れを作曲しました。
 シューマンは、もしか会えるかもしれないという希望が残っています。

4.言葉は、人が意味が分るのではないかという誤解を招くものです。理解は誤解に通じます。音楽の場合だと、抽象的であることによってそこから解き放されている。その分だけ、人が迷わされずに違いが聴きとれるのではないでしょうか。

ダニエル・バレンボイム・ベートーヴェンピアノソナタ全32曲演奏会

サントリーホール

1987.3.143.163.183.203.223.263.304.1、全8日

8日の連続演奏会であった。44歳の彼にしても8回の演奏・延べ20日にわたる格闘を征服する労力は大変なものだ。すでにCDで全曲録音盤もリリースされているが、ナマ音楽はまったく別の魅力にあふれていると思う。
始めてバレンボイムの演奏を聴いたフルトヴェングラーは、「バレンボイムは驚くべき天才だ」と語ったという。

評論家の中河原理氏は、「音楽はすっかり手のうちに納まって、それを思うがままに紡ぎだし繰りだしてゆくかのよう。柔らかいタッチ、明るい音色、音量とテンポの自在な組み合わせから生じる彫りと明暗の交差、音楽はこうありたい。」と述べている。

私は、8日のうち2度欠席し、6日間通った。鋭敏な感受性、説得力、スケールの大きさを感じた6日であった。特にハンマー・クラヴィーアが好かった。

演題

3.14 ソナタ1番OP2-1
ダニエル・バレンボイム
     ソナタ18番OP.31-3
     ソナタ29番OP.106(ハンマー・クラヴィーア)
3.16 ソナタ13番OP.27-1
     ソナタ7番OP.10-3
     ソナタ27番OP.90
     ソナタ21番OP.53(ワルトシュタイン)
3.18 ソナタ15番OP28(田園)
     ソナタ3番OP.2-3
     ソナタ30番OP109
     ソナタ24番OP.109
3.20 ソナタ16番OP.31-1
     ソナタ14番OP.27-2(月光)
     ソナタ6番OP.10-2
     ソナタ31番OP.110
3.26 ソナタ8番OP.13(悲愴)
     ソナタ12番OP.26(葬送)
     ソナタ25番OP.79
     ソナタ28番OP.101
3.30 ソナタ5番OP.10-1
     ソナタ11番OP.22
     ソナタ19番OP49-1
     ソナタ20番OP.49-2
     ソナタ23番OP.57(情熱)


     

2014年12月31日水曜日

エンシェント・ミュージック管弦楽団演奏会

サントリーホール  1991.10.26


ホグウッド
演題:モーツァルト「皇帝ティートの慈悲」全曲

指揮:クリストファー・ホグウッド

合唱:国立音楽大学

出演:

ヴィテッリア/ロバータ・アレグサンダ―

 アンニオ/クリスティナー・へ―グマン

 セルヴィリア/中嶋彰子

 ティート/アンソニ―・ロルフ・ジョンソン

通奏低音:
アラスターズ・ロス、スーザン・シェパード

このオペラは、モーツァルトが「魔笛」その他の終生の名作を生み出している最中に生まれた為、いろんな事情が重なって評判が良くなく、上演されることが少ない。オペラの筋は複雑な人間心理の葛藤を扱い、詳細に述べるにはかなりの文句を要する。

ホグウッドはバロック、古典派、ロマン派初期の音楽をオリジナル楽器を使い当時の編成に沿って演奏することを追求し、目覚ましい成果をあげている。ホグウッドより、モーツァルトのテイトが再評価された。揺れ動く人の心を克明に浮かび上がらせ、テンポの良さで、全体を求心力と集中力でモーツァルトを名演奏したと思う。

フランス国立放送管弦楽団

 東京文化会館 1966.10.20

指揮者:シャルル・ミンシュ


演題:

 
フォーレ ペレアスとメリザンド

ルーセル 交響曲第3番ト短調OP42

ブラームス 交響曲第1番ハ短調OP68

ミンシュは2年後に旅行中に死去した。フルトヴェングラーゆずりの大胆な明確な演奏には名演が多いが、彼が得意にしたのは初期の頃はルーセスの3番であり、後世に残る名盤はブラームスの3番、ベルリオーズの「幻想」である。
この日のプログラムはそのうちの曲が選ばれたのである。

ボストンとの「幻想」を加えながら、ミンシュを讃えたい。ミンシュはLPのリスナーにとっては、ボストン交響樂団時代の熱い演奏の虜になった人が多いと思う。ラヴェル、ドヴィッシ―、ベルリオーズは、彼なしでは語れない。特に管の響きの艶はフランス的で見事だ。
最高の演奏会が日本できけるようになったナ・・・と感慨深い。


愛聴盤:ペアリスとメリサンド
     1.カラヤン指揮 ベルリン交響楽団

     ブラームス第1番
     1.メンゲルベルグ指揮 アムステルダム・コンチェルトへボー(LP)
     2.フェルトヴェングラ―指揮 ベルリンSO.(LP)
     3.カール・ベイム指揮 ウィーンSO.ベルリンSO.
     4.バーンスタイン指揮 ウィーンSO.

バーバラ・ヘンドリックス リサイタル

  
」 東京文化会館  1987.12.08

ヘンドリックス
ピアノ:スタファン・シェイヤ

曲目:

ブラームス  4つの歌・5つの歌・6つの歌ほか

フォーレ  ある日の詩・2つの歌・3つの歌ほか

R.シュトラウス5つの歌・8つの歌ほか


特に黒人霊歌のパートはいいのだが、当日は歌わずに終わった。真珠にもたとえられる透明感のあるリリック・ソプラノだ。
ある人は、「悪魔がいて人を誘惑するために優しくささやくとしたら、きっとヘンドリックスの様に繊細で優しくやるに違いない」と言っている。(誘惑されるのもいいナ)

1948年生まれの数学・化学の学士号をもつ。メトロポリタンオペラで、ドミンゴとの共演も多い。



ウィーン少年合唱団

   1986.10.28

ブルグ礼拝堂


日曜。祝祭日の午前中、ウィーン少年合唱団がこの宮廷礼拝堂のミサに参加する。

ウィーン少年合唱団は独立した団体ではなく、この宮廷の付属機関団体であり、このミサで唄うことが、第一任務なのです。
席は1階床と2階席があり、私達は2階席である。満員だったが、日本人はいないようだった。
伝統のある少年合唱団の響きは、礼拝堂の雰囲気に適合して、美しいというよりは敬虔な感じがした。

ミサ入場券
 
 


ザビネ・マイヤークラリネット・演奏会 

東京文化会館小ホール 1985.4.8
ザビネ・マイヤー

演目:

ウェーバ   主題と変奏
 
 
ベルク     4つの小品  OP5
マルチーヌ  ファガチマ
ドヴィッシ―  ラブソディ第1
ウエーバ   クラリネット協奏曲
ミヨ       ストラムッシュ


カラヤンが男性集団であるベルリン・フィルに初めて女性演奏者ザビネ・マイヤーを加えようとしてベルフィルと対立し、全員投票で拒否され身を引いた。1983年のことである。
その話題にいささかの興味が沸き、この演奏を聞いた。1960年生まれのマイヤーは噂にたがわぬ美人で、眩いばかりの白い顔で現れた。
ふくよかな響きが美しく、旋律を歌わせて弾く。クラリネットがもつ哀愁も感じられた。私はモーツアルトのクラリネット協奏曲K.622が好きなので、この弾き手で聴きたいと思ったりした。

愛聴盤:K.622

アルフレッド・ブレンデル・ピアノリサイタル

東京文化会館  1992.01.16
ブレンデル


 

演目:

モーツアルトソナタ・へ長調 KV.533/494
ベートーヴェンソナタニ短調OP.31-2テンペスト
モーツアルト:幻想曲ハ短調 K.475
モーツアルト:アダージョロ短調 K.540
ベートーヴェン:ソナタイ長調OP.101


吉田秀和はブレンデルの演奏は、意識的な音楽の対話があるという。
ウィーンの土壌が生んだ難しいピアニストだ。
プログラムは最高だった。彼の演奏で、モーツアルトとベートーヴェンの対比が面白い。
情感豊かなモーツアルト、躍動するベートーヴェン、上手いものだ

メトロポリタン歌劇場オペラ<ホフマン物語>

               ウィーン国立歌劇場            1995.11.1

指揮プラシド・ドミンゴ        作曲:ビゼー   


配役:

カルメン:ELENA ZAREMBA

ドン・ホセ:LUIS LIMA

エスカミロ:CHAIGNOUD

ミカエラ:ADRIANNE IECZONKA


カルメン役は、37歳のロシア生まれ。
ドン・ホセ役は、47歳のアルゼンチン生まれ。
共に若くはないが、音声は凛々しく美しい。
1961年にバンブリ―のカルメンを観たが34年たっても、カルメンは健在というところか・・・

カルメン役のエルナ・ザレンバは、現在はメトロポリタン・オペラで活躍しているが、ウィーンでの初主役デビュであった。


冒頭のハバネラは、何時聴いても親しめる旋律だ。小さい時から、オペラアリアの最高と思っていた。後日、日本で日本語のカルメンをみた。
ハバネラを「貴方は好きでも、私は大嫌い」と唄っていたが違和感を感じた。
私は「ラ・アモ―レ」ほうが馴染みがあり、いい響きに聴こえる。












2014年12月30日火曜日

小沢征爾・新日本フィルハーモニー交響楽団 特別演奏会サントリーホール

1988.9.9

ハイモヴィツ
指揮:小沢征爾

チェロ:マット・ハイモヴィッ

メゾソプラノ:伊藤直子

演題   
 ベートーヴェン:  交響曲第4番OP.60
チャイコフスキー:  ロココ風の主題による変奏曲作品33より

マーラー:  亡き子を偲ぶ歌(1905)

ベートーヴェンの第4番は、彼のに最も平穏な時期に生まれた。聞くたびに平易な清楚な曲だなと思うが、じつは音楽的には新基軸が隠されているのだそうだ。私は4番と8番が気楽に聴けるので好きだ。

チャイコフスキーの曲は、18世紀のロココ趣味への趣向よりも、ロシアのメランコリーが滲んでいる。
この時期、彼は結婚の破局からのショックから逃れるため、モスクワを留守にしたが、その間にフイッシャ―ハーゲンが全面的に改変し上演、大成功をおさめてしまった。今日演奏されるのはその改訂版である。チャイコフスキーは、あれは自分の曲ではないと言っている。

マーラーにとって、死は常に重要なテーマで、「生と死、別れと祈り」がこの曲で見事に謳い上げられている。「大地の歌」と双壁をなす名曲だ。

チェロのハイモヴィツは、ヨーヨー・マに師事し28歳ながら、有名オケと共演し,神童といわれる。今回が初来日である。




ケルン放送交響楽団マーラー交響曲第8番

サントリーホール     1991.11.12

演題:交響曲第8番「千人の交響曲」変ホ長調

指揮:ガリー・ベルティーニ

合唱:ケルン放送合唱団、プラハ・フイルハーモニー合唱団、東京少年少女合唱隊

出演:ユリア・ヴァラディ
    マリアンネ・へガンダ―
    マリア・べヌーティ
    フローレンス・クイヴァー
    アン・ハウルズ
    ポール・フライ
    アラン・タイトス
    ジ―クフリード・フォゲル

指揮者ベルティーニはソヴィエト生まれで、イスラエル、エルサレムフィル等を歴任し、いまやヨーロッパ指揮界の中核となった。特にマーラー指揮で定評があり、第1人者であろう。
ケルン放送交響楽団は1983,1988と2度来日し、今回は3度目である。
1000人の交響曲は、初演で1029人が出演したことで名ずけられたもので、マーラーの命名ではない。
ユリア・ヴァラディやジークフリード・フォゲルなど、おなじみの名歌手による名演であった。

メトロポリタン歌劇場オペラ<ホフマン物語>

歌劇「ドン・ジョヴァンニ」 小沢征爾音楽塾オペラプロジェクトⅢ 2002.5.15東京文化会館

キ―チェン:ドン・ジョヴァンニ役


指揮:小沢征爾

配役:

ドン・ジョバンニ/マリゥス・キ―チェン

騎士長/セルゲイ・コプチャク

ドンナ・アンナ/ソンドラ・ラドヴァノフスキー

レポレッロ/シモーネ・アルぺルギ―ニ

ツェルリ―ナ/ハイディ・グラント・マーフィ

昨年の「コシファン・トッテ」につずき今年の「ドン・ジョバンニ」を見た。ドン・ジョヴァンニ役のキ―チェンは、若いポーランド人のバリトン歌手で昨年のコシファン・トッテでもグリエル役であった。メトロポリタンオペラ出で世界のオペラ劇場で活躍する旬の歌手である。その他の出演者も世界で活躍中のいはばそうそうたる配役である。
ドン・ジョバンニは2065人もの女性を征服したという、稀代の色事師だ。この喜劇のなかに、人間の真実と激しさ、光と影が交錯する。
カラヤンはこのオペラを特別扱いして晩年まで振らなかったと聞いた(晩年に指揮し名盤を残した)

小沢も特別の思いで指揮したに相違ないと思う。
数多いアリアを楽しむ、レポレロの唄う「恋人のカタログ」、ツェルリ―ナの唄う「ぶってよ、マゼット」
騎士長の石像の地に響くバス、いずれも素晴らしいものだった。小沢音楽塾のオケも合唱団も好評であった。

2014年12月29日月曜日

マーラー・スペシャル演奏会

サントリーホール   1989.4.28

演奏者NHK交響楽団

指揮者ウオルガング・サヴァリッシュ

演題さすらう若者の歌/バリトン;フイッシャ―・デイ―スカウ

         交響曲第4番「大いなる喜びの讃歌」/ソプラノ;ユリア・ヴァラディ


数年前からマーラーブームが起こっている。
私がマーラの音楽に驚いたのは1975年頃だったと思う。たしかワルター指揮のLPで4番、5番あたりだ。世の中にこんな音楽が存在するのか?あまりにも起伏の多い感情の揺らぎ、しかしとても魅力的なのだ。

やがて1番の巨人と2番の復活が好きになった。好きを通り越して麻薬のようにきいてきた。出勤前の朝から聴いていると幼い娘から苦情が出た。「朝からのマーラーは止めてほしい」と。妻はマーラーは気がくるっている、狂人ではないかと言う。四面楚歌の中で私は堪えた。


たしか指揮者宇野さんの評で、マーラーの大地を絶賛され、あの終末の声を理解できぬものは人間でないと書いてあり、早速カサリン・フェーリアの芸術というLPを購入し聴いた。そして(永遠に、永遠に・・・)と消えて終わる声に涙した。どうやら俺も人間だ!と。


サヴァリッシュは、マーラーを振ることが少ない。とくに5,6,7、番等は、理解できないと話している。
私は、マーラーを聴くと後期古典派のロマンをこえ、現代ジャズにもつながる様な音感がある様に思う。当日は,デイ―スカウ夫妻の最高の技法と歌唱力に、感服した一夜であった。
ディスカウとヴィラディ夫妻

911年マーラーは50歳でこの世を去った。「大地の歌」完成の3年後だ。妻アルマ・マーラ―に
「やがて、わたしの時代が来る」と断言したとうりマーラーは世界を征服した。

余談だが、アルマは美人でウィーン社交界の花形であったので、マーラーの死後、画家をクリムトをはじめ数人の有名人と浮名をながし、画家ココシュカとの交際の後、有名建築家のグロビウスと
アルマ・マーラ
再婚した。自著「わが愛の遍歴」に詳しい。


2014年12月27日土曜日

ルネ・フレミング ソプラノ・リサイタル

  サントリーホール 2002.04.01

ピアノ:ハルムート・ヘル

プログラム

ヘンデル私の心の人

R..シュトラウス憩えわが魂、わるい天候、優しい                     歌達、ツェツィーリェ

ドヴォルザーク月に寄せる歌

グノーなんと美しいこの空

ドヴィシー ピリティスの3つの歌

ラフマニノフ密かな夜のしじまのなかで

山田耕作赤トンボ(日本語)

プッチーニある晴れた日に


ルネ・フレミングとの出会い
1997年 パリーで時間があり、音楽会を探したらポンピドウの国立オペラ座で「マノン」
を上演中と分かり、昼過ぎに劇場のチケット売り場で当夜の二人の券を購入した。
一階中央の良い席で、歌手の声と質がよくわかった。
主演マノン役がフレミングであった。
フレミングはまだ部分的に知られていた頃で、私は知らなかった。
しかしながら、私には驚くほどの声量と表情豊かな美声だった。はじめは何かの間違えかなと思った。いはば一目惚れだった。

以来私はファンとなった。当時は無名のフレミングが、今日ではメトロポリタンオペラの女王と言われ、ドミンゴの帝王とともに メトロポリタンを支えている。長い間にはこんなことも起こるのだ。
 先般「ルネ・フレミング自伝」が出版された。彼女の人生の紆余曲折は、並ではない。加えてソプラノの発声技法について長い記述があるが、天才は一日でならないことを痛感する。

サントリーホールで、彼女の音量は会場を圧倒した。選曲も得意な曲で、感慨無量だ。
終盤に歌った日本語による 赤トンボはファンへのサービスであったろうが、しみじみ聴き惚れた。彼女が来日する限り通わねばならない義務?が私にはあるのだ。

愛聴盤;ルネ・フレミング モーツアルト・アリア。ザ・ビュウチフルヴォイス。

2014年12月19日金曜日

メンデルスゾーン「エリア」を聴く

サヴァリッシュ指揮 NHK交響楽団 サントリーホール          2001.10。12


出演:エリア;ヤン・ヘンドリック

    寡婦、天使;ルート・ツイーザク

    王妃、天使;マリアーナ・リボヴシェク

    東京芸術大学音楽学部合唱
    管弦楽;NHK交響楽団

N饗創立75周年記念演奏会であった。サヴァリッツシュは日本ではN響以外には振らないという惚れこみようであり、N響側でも<指揮台から、投網を投げつけられたようだ>と、心酔の声があった。

エリアの生涯は、旧約聖書の時代だ。イスラエルの神エホバに仕える徹底した預言者で、おりからの邪悪の時代に、神の意志を力強く代弁した。(旧約聖書の時代だ。無知なので少し勉強しようかナ)メンデルスゾーンは宗教音楽に熱心で、大衆にも受け入れられた。作品は2部、42曲からなる。美しい独唱曲の数々、色彩豊かなオーケストラの魅力もさることながら、合唱が充実していて神の栄光を賛美し愛や慰めを抒情的に唄う。どの曲も力強く精彩にあふれ、オラトリオの中軸となっている。

加えて、サヴァリッシュの指揮棒は見事に振られて、宗教曲の集大成を聴く思いだった。1998年最愛の妻に先立たれた彼は死後の最初のコンサート、フィラデルフィアでのリハーサル中、ブルックナーの第2楽章の「葬送行進曲」にさしかかったとき、あまりの悲しさに身体を崩して立ち上がれなかったという人間性と、ウィーン国立歌劇場に招聘したカラヤンに断りを入れ、ベルリン・フィルとは生涯指揮できなかった一徹さをもつドイツ人であった。
私は彼の指先から糸を引くように流れ出る美しい音楽に言い知れない魅力を感じていた。が2013年生地バイエルンで帰らぬ人となった。


2014年12月18日木曜日

サイトウ・キネン・オーケストラ/小沢征爾・演奏会

東京文化会館 2001.1.4
小沢征爾

指揮:小沢征爾

演目:グスタフ・マーラー  交響曲第9番

サイトウ・キネンは昨年からマーラーに取り組んでいる(昨年は2番復活)。今年もひきつずいてマーラーをとりあげ、しかも9番だ。小沢征爾は主題、あの大地の歌の「永遠に」の主題をゆったりと唄わせた。名手そろいのこのオーケストラを信じ、要所を締めながら流れを作って行く。巨匠たちが演奏したように最終楽章のアダージョに向けて、音楽をつくりあげてゆく。

このオーケストラの弦の豊穣さと、小沢の指揮が合致して、世紀末に死と永遠のメッセージを託したマーラーを演じた。
1961.10.21

ミラノスカラ座

ゼルキン
指揮者:ケルテス

演奏者:ルドルフ・ゼルキン

演題:バルトーク   QUADRI UNGHRESI

    ブラームス ピアノコンチェルト1番

    ベートーヴェン 交響曲第7番

ケルテス
ケルテスは、44歳の時。遊泳中高波に溺れて急死した。
白鳥の歌となったのは、ブラームスであった。
そのブラームスをゼルキンと共演していたのである。

私はゼルキンとは後日又聴く機会を得るが、想い出深いコンサートであった。旅先で偶然良いコンサートに行けることは、何か幸せな気持ちに満たされる。