ハイモヴィツ |
チェロ:マット・ハイモヴィッ
メゾソプラノ:伊藤直子
演題
ベートーヴェン: 交響曲第4番OP.60
チャイコフスキー: ロココ風の主題による変奏曲作品33より
マーラー: 亡き子を偲ぶ歌(1905)
ベートーヴェンの第4番は、彼のに最も平穏な時期に生まれた。聞くたびに平易な清楚な曲だなと思うが、じつは音楽的には新基軸が隠されているのだそうだ。私は4番と8番が気楽に聴けるので好きだ。
チャイコフスキーの曲は、18世紀のロココ趣味への趣向よりも、ロシアのメランコリーが滲んでいる。
この時期、彼は結婚の破局からのショックから逃れるため、モスクワを留守にしたが、その間にフイッシャ―ハーゲンが全面的に改変し上演、大成功をおさめてしまった。今日演奏されるのはその改訂版である。チャイコフスキーは、あれは自分の曲ではないと言っている。
マーラーにとって、死は常に重要なテーマで、「生と死、別れと祈り」がこの曲で見事に謳い上げられている。「大地の歌」と双壁をなす名曲だ。
チェロのハイモヴィツは、ヨーヨー・マに師事し28歳ながら、有名オケと共演し,神童といわれる。今回が初来日である。