2014年12月31日水曜日

エンシェント・ミュージック管弦楽団演奏会

サントリーホール  1991.10.26


ホグウッド
演題:モーツァルト「皇帝ティートの慈悲」全曲

指揮:クリストファー・ホグウッド

合唱:国立音楽大学

出演:

ヴィテッリア/ロバータ・アレグサンダ―

 アンニオ/クリスティナー・へ―グマン

 セルヴィリア/中嶋彰子

 ティート/アンソニ―・ロルフ・ジョンソン

通奏低音:
アラスターズ・ロス、スーザン・シェパード

このオペラは、モーツァルトが「魔笛」その他の終生の名作を生み出している最中に生まれた為、いろんな事情が重なって評判が良くなく、上演されることが少ない。オペラの筋は複雑な人間心理の葛藤を扱い、詳細に述べるにはかなりの文句を要する。

ホグウッドはバロック、古典派、ロマン派初期の音楽をオリジナル楽器を使い当時の編成に沿って演奏することを追求し、目覚ましい成果をあげている。ホグウッドより、モーツァルトのテイトが再評価された。揺れ動く人の心を克明に浮かび上がらせ、テンポの良さで、全体を求心力と集中力でモーツァルトを名演奏したと思う。

フランス国立放送管弦楽団

 東京文化会館 1966.10.20

指揮者:シャルル・ミンシュ


演題:

 
フォーレ ペレアスとメリザンド

ルーセル 交響曲第3番ト短調OP42

ブラームス 交響曲第1番ハ短調OP68

ミンシュは2年後に旅行中に死去した。フルトヴェングラーゆずりの大胆な明確な演奏には名演が多いが、彼が得意にしたのは初期の頃はルーセスの3番であり、後世に残る名盤はブラームスの3番、ベルリオーズの「幻想」である。
この日のプログラムはそのうちの曲が選ばれたのである。

ボストンとの「幻想」を加えながら、ミンシュを讃えたい。ミンシュはLPのリスナーにとっては、ボストン交響樂団時代の熱い演奏の虜になった人が多いと思う。ラヴェル、ドヴィッシ―、ベルリオーズは、彼なしでは語れない。特に管の響きの艶はフランス的で見事だ。
最高の演奏会が日本できけるようになったナ・・・と感慨深い。


愛聴盤:ペアリスとメリサンド
     1.カラヤン指揮 ベルリン交響楽団

     ブラームス第1番
     1.メンゲルベルグ指揮 アムステルダム・コンチェルトへボー(LP)
     2.フェルトヴェングラ―指揮 ベルリンSO.(LP)
     3.カール・ベイム指揮 ウィーンSO.ベルリンSO.
     4.バーンスタイン指揮 ウィーンSO.

バーバラ・ヘンドリックス リサイタル

  
」 東京文化会館  1987.12.08

ヘンドリックス
ピアノ:スタファン・シェイヤ

曲目:

ブラームス  4つの歌・5つの歌・6つの歌ほか

フォーレ  ある日の詩・2つの歌・3つの歌ほか

R.シュトラウス5つの歌・8つの歌ほか


特に黒人霊歌のパートはいいのだが、当日は歌わずに終わった。真珠にもたとえられる透明感のあるリリック・ソプラノだ。
ある人は、「悪魔がいて人を誘惑するために優しくささやくとしたら、きっとヘンドリックスの様に繊細で優しくやるに違いない」と言っている。(誘惑されるのもいいナ)

1948年生まれの数学・化学の学士号をもつ。メトロポリタンオペラで、ドミンゴとの共演も多い。



ウィーン少年合唱団

   1986.10.28

ブルグ礼拝堂


日曜。祝祭日の午前中、ウィーン少年合唱団がこの宮廷礼拝堂のミサに参加する。

ウィーン少年合唱団は独立した団体ではなく、この宮廷の付属機関団体であり、このミサで唄うことが、第一任務なのです。
席は1階床と2階席があり、私達は2階席である。満員だったが、日本人はいないようだった。
伝統のある少年合唱団の響きは、礼拝堂の雰囲気に適合して、美しいというよりは敬虔な感じがした。

ミサ入場券
 
 


ザビネ・マイヤークラリネット・演奏会 

東京文化会館小ホール 1985.4.8
ザビネ・マイヤー

演目:

ウェーバ   主題と変奏
 
 
ベルク     4つの小品  OP5
マルチーヌ  ファガチマ
ドヴィッシ―  ラブソディ第1
ウエーバ   クラリネット協奏曲
ミヨ       ストラムッシュ


カラヤンが男性集団であるベルリン・フィルに初めて女性演奏者ザビネ・マイヤーを加えようとしてベルフィルと対立し、全員投票で拒否され身を引いた。1983年のことである。
その話題にいささかの興味が沸き、この演奏を聞いた。1960年生まれのマイヤーは噂にたがわぬ美人で、眩いばかりの白い顔で現れた。
ふくよかな響きが美しく、旋律を歌わせて弾く。クラリネットがもつ哀愁も感じられた。私はモーツアルトのクラリネット協奏曲K.622が好きなので、この弾き手で聴きたいと思ったりした。

愛聴盤:K.622

アルフレッド・ブレンデル・ピアノリサイタル

東京文化会館  1992.01.16
ブレンデル


 

演目:

モーツアルトソナタ・へ長調 KV.533/494
ベートーヴェンソナタニ短調OP.31-2テンペスト
モーツアルト:幻想曲ハ短調 K.475
モーツアルト:アダージョロ短調 K.540
ベートーヴェン:ソナタイ長調OP.101


吉田秀和はブレンデルの演奏は、意識的な音楽の対話があるという。
ウィーンの土壌が生んだ難しいピアニストだ。
プログラムは最高だった。彼の演奏で、モーツアルトとベートーヴェンの対比が面白い。
情感豊かなモーツアルト、躍動するベートーヴェン、上手いものだ

メトロポリタン歌劇場オペラ<ホフマン物語>

               ウィーン国立歌劇場            1995.11.1

指揮プラシド・ドミンゴ        作曲:ビゼー   


配役:

カルメン:ELENA ZAREMBA

ドン・ホセ:LUIS LIMA

エスカミロ:CHAIGNOUD

ミカエラ:ADRIANNE IECZONKA


カルメン役は、37歳のロシア生まれ。
ドン・ホセ役は、47歳のアルゼンチン生まれ。
共に若くはないが、音声は凛々しく美しい。
1961年にバンブリ―のカルメンを観たが34年たっても、カルメンは健在というところか・・・

カルメン役のエルナ・ザレンバは、現在はメトロポリタン・オペラで活躍しているが、ウィーンでの初主役デビュであった。


冒頭のハバネラは、何時聴いても親しめる旋律だ。小さい時から、オペラアリアの最高と思っていた。後日、日本で日本語のカルメンをみた。
ハバネラを「貴方は好きでも、私は大嫌い」と唄っていたが違和感を感じた。
私は「ラ・アモ―レ」ほうが馴染みがあり、いい響きに聴こえる。