作曲家: モーツアルト K.384
指揮: アダム・フィツシャー
配役:
コンスタンツェ;ELIZABETH・NAGUNUSON
ベルモンテ;ROBERUTO・SACCA
べトリルロ;MARTIN・ZYSSET
オスミン;ALFRED・MUFF
セリム(語り);GLORY・SCHUCHTER
モーツアルトが成功をおさめた最初のオペラである。
新聞では酷評されたが、大衆には受けた。妻コンスタンッエに夢中になっていた最中での成功だった。
モーツアルトの手紙 から引用しよう。
モーツアルトの洞察力が面白い。 「オスミンの怒りをご覧ください.歌が終わりそうに思われるところで、アレグロ・アッサイがまったく違った調子とテンポに変わり、非常にすばらしい効果をあげます。こんなに激怒している人間は、規律も節度も限界もすべて踏み越えてもはや我を忘れているのですから、音楽もそれに倣わなくてはなりません。しかし情熱というものは、激しかろうとそうでなかろうと、決して不快の念を起させるまで表現させるべきではないし、また、音楽はけっして耳ざわりになってはならず、やはり耳をたのしませる、つまり、あくまで音楽でなければなりませんから、僕はアリアの個性であるへ長調と無縁の音を避け、関係調ではあるけれど最も近いニ短調ではなくて、一番遠いイ短調を選びました。」と彼は書いている。
トルコ風 の舞台 |
クラーマーの音楽雑誌は、「後宮からの逃走」は、美しい樂想に満ちており、公衆の期待をはるかに超えている。そして、聴く者の心を奪う新鮮な着想は、極めて広範囲の聴衆から、極めて高い喝采を受けた・・・。
ホテルから電車で出掛け劇場にたどり着いた。原語でのプログラムが読めず、現地の日本人に聞いたが要領を得ない。かって日本で見ていたので筋書きだけは理解しながら「モーツアルトのイ短調」をきいた。
当時の流行であったトルコ風である。ドイツではトルコ風=東洋風なのである。
物語の筋は、海賊から太守セリムに買いとられ、後宮に幽閉されている恋人コンスタンツエを、ベルモンテが策略を巡らし、最後には太守が折れて帰国を許して、二人の愛が成就されるというものだ。
チューリッヒ歌劇場は
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