演奏者:NHK交響楽団
指揮者:ウオルガング・サヴァリッシュ
演題:さすらう若者の歌/バリトン;フイッシャ―・デイ―スカウ
交響曲第4番「大いなる喜びの讃歌」/ソプラノ;ユリア・ヴァラディ
数年前からマーラーブームが起こっている。
私がマーラの音楽に驚いたのは1975年頃だったと思う。たしかワルター指揮のLPで4番、5番あたりだ。世の中にこんな音楽が存在するのか?あまりにも起伏の多い感情の揺らぎ、しかしとても魅力的なのだ。
やがて1番の巨人と2番の復活が好きになった。好きを通り越して麻薬のようにきいてきた。出勤前の朝から聴いていると幼い娘から苦情が出た。「朝からのマーラーは止めてほしい」と。妻はマーラーは気がくるっている、狂人ではないかと言う。四面楚歌の中で私は堪えた。
たしか指揮者宇野さんの評で、マーラーの大地を絶賛され、あの終末の声を理解できぬものは人間でないと書いてあり、早速カサリン・フェーリアの芸術というLPを購入し聴いた。そして(永遠に、永遠に・・・)と消えて終わる声に涙した。どうやら俺も人間だ!と。
サヴァリッシュは、マーラーを振ることが少ない。とくに5,6,7、番等は、理解できないと話している。
私は、マーラーを聴くと後期古典派のロマンをこえ、現代ジャズにもつながる様な音感がある様に思う。当日は,デイ―スカウ夫妻の最高の技法と歌唱力に、感服した一夜であった。
ディスカウとヴィラディ夫妻 |
1911年マーラーは50歳でこの世を去った。「大地の歌」完成の3年後だ。妻アルマ・マーラ―に
「やがて、わたしの時代が来る」と断言したとうりマーラーは世界を征服した。
余談だが、アルマは美人でウィーン社交界の花形であったので、マーラーの死後、画家をクリムトをはじめ数人の有名人と浮名をながし、画家ココシュカとの交際の後、有名建築家のグロビウスと
アルマ・マーラ |