作曲:リヒャルト・ワーグナー
指揮:クリスチアン・ティーレマン
演奏:ベルリン・ドイツ・オペラ管弦楽団
合唱:ベルリン・ドイツ・オペラ合唱団
演出:ゲッツ・フレードリッヒ
配役:国王ハインリヒ/マンフレート・シェンク
ローエングリン/トーマス・サネガード
エルザ/カラン・アームストロング
テルラムント伯爵/オスカー・ヒレブラント
オルトルート/ギネス・ジョーンズ
白鳥にひかれて登場する騎士ローエングリンは、エルザに「何処から来たかも、名前も素性も尋ねてはいけない」との約束で結婚する。しかし謀略のなかで、エルザは禁句を問いかける。騎士は秘密を明かし、ただ淡々と去ってゆく。聖杯の騎士パルジハルの息子であったのだ。
聖と俗の二つの世界を聴衆は理解する。ワーグナーは3000におよぶ書簡で彼の構想を述べていて、彼の音楽と文学、哲学をしることが出来る。
私は、1987年、ベルリン・ドイツ・オペラで「ニーベルングの指輪」を4夜にわたり聴いた。音楽も体力との勝負だと思った。ただワーグナー独特の旋律の美しさが体に浸みた。
ワーグナーをはじめて聴いたのは、フルトヴェングラーの(トリスタンとイゾルデ)の録音だった。とりわけ第3楽章(愛と死)は良く聴いた。音楽による哲学のようなものを感じた。
モーリス・ベジャールによる「ワーグナーの魅力」から引用すると、
「人間としてのワーグナーにもっとも惹かれるのは感動と構築性の両面を併せ持っていることです。彼は指輪を完成させるのに20年の歳月を費やしました。独特の複雑な構造と同時に絶えず生き生きとした感動が存在しています。」となる。
シェンクからギネス・ジョーンズまで、名歌手5人をそろえた名演を日本で堪能した。