2015年1月1日木曜日

フランス国立放送管弦楽団演奏会を回想する

東京文化会館1966.10.8

シャルル・ミンシュ
指揮シャルル・ミンシュ

独奏:ニコール・アンリオ・シュバイツァー

演題:
シューマン/交響曲第4番ニ短調OP.120

ドヴィッシ―/交響詩「海」

プロコフエフ/ピアノ協奏曲第2番OP.16

ラヴェル/「ダフニスとクロエ」組曲第2番


シューマンは交響曲を4曲かいたが、最後の曲でなく、若い頃の作だ。私にはシューマンの交響曲はよくわからない。
「海」は、3つの情景からなり彼の絵画的音楽スケッチである。海の表情の豊かさを、見事に描いている。
海を題材にしている音楽は極めて少ないと思う。

私の好きな曲の一つに、イベールの「寄港地」があるが
これも海の表情を良く捉えた名曲だと思う。

プロコフエフの2番は若き日の彼の本領をよく発揮した曲である。ピアニストはミンシュのお気に入りある。

ラヴェルの「ダフニスとクロエ」は、バレエ組曲で、感性の鋭いフランス的音楽だ。

これらの演奏を通して、ミンシュの完成度の高い音楽が、作品にひたむきに立ち向かう意欲と説得力を感じさせる。アルザス生まれの彼はフランスとドイツの両方の文化を体得したが、特にフランス音楽に対する輝かしい音彩はラヴェルやドヴィッシーで発揮される。
当年74歳の指揮台に向かう足どりは年齢を感じたが指揮が始まると若々しくさすが巨匠と思わせた。

私は、パリ管弦楽団を指揮の「ベルリオーズ:幻想交響楽」1967年版を聴いて最高の演奏と思っているが、その演奏の弦の響きはミンシュならではの音楽を聴かせてくれる。