キ―チェン:ドン・ジョヴァンニ役 |
指揮:小沢征爾
配役:
ドン・ジョバンニ/マリゥス・キ―チェン
騎士長/セルゲイ・コプチャク
ドンナ・アンナ/ソンドラ・ラドヴァノフスキー
レポレッロ/シモーネ・アルぺルギ―ニ
ツェルリ―ナ/ハイディ・グラント・マーフィ
昨年の「コシファン・トッテ」につずき今年の「ドン・ジョバンニ」を見た。ドン・ジョヴァンニ役のキ―チェンは、若いポーランド人のバリトン歌手で昨年のコシファン・トッテでもグリエル役であった。メトロポリタンオペラ出で世界のオペラ劇場で活躍する旬の歌手である。その他の出演者も世界で活躍中のいはばそうそうたる配役である。
ドン・ジョバンニは2065人もの女性を征服したという、稀代の色事師だ。この喜劇のなかに、人間の真実と激しさ、光と影が交錯する。
カラヤンはこのオペラを特別扱いして晩年まで振らなかったと聞いた(晩年に指揮し名盤を残した)
小沢も特別の思いで指揮したに相違ないと思う。
数多いアリアを楽しむ、レポレロの唄う「恋人のカタログ」、ツェルリ―ナの唄う「ぶってよ、マゼット」
騎士長の石像の地に響くバス、いずれも素晴らしいものだった。小沢音楽塾のオケも合唱団も好評であった。