2014年12月19日金曜日

メンデルスゾーン「エリア」を聴く

サヴァリッシュ指揮 NHK交響楽団 サントリーホール          2001.10。12


出演:エリア;ヤン・ヘンドリック

    寡婦、天使;ルート・ツイーザク

    王妃、天使;マリアーナ・リボヴシェク

    東京芸術大学音楽学部合唱
    管弦楽;NHK交響楽団

N饗創立75周年記念演奏会であった。サヴァリッツシュは日本ではN響以外には振らないという惚れこみようであり、N響側でも<指揮台から、投網を投げつけられたようだ>と、心酔の声があった。

エリアの生涯は、旧約聖書の時代だ。イスラエルの神エホバに仕える徹底した預言者で、おりからの邪悪の時代に、神の意志を力強く代弁した。(旧約聖書の時代だ。無知なので少し勉強しようかナ)メンデルスゾーンは宗教音楽に熱心で、大衆にも受け入れられた。作品は2部、42曲からなる。美しい独唱曲の数々、色彩豊かなオーケストラの魅力もさることながら、合唱が充実していて神の栄光を賛美し愛や慰めを抒情的に唄う。どの曲も力強く精彩にあふれ、オラトリオの中軸となっている。

加えて、サヴァリッシュの指揮棒は見事に振られて、宗教曲の集大成を聴く思いだった。1998年最愛の妻に先立たれた彼は死後の最初のコンサート、フィラデルフィアでのリハーサル中、ブルックナーの第2楽章の「葬送行進曲」にさしかかったとき、あまりの悲しさに身体を崩して立ち上がれなかったという人間性と、ウィーン国立歌劇場に招聘したカラヤンに断りを入れ、ベルリン・フィルとは生涯指揮できなかった一徹さをもつドイツ人であった。
私は彼の指先から糸を引くように流れ出る美しい音楽に言い知れない魅力を感じていた。が2013年生地バイエルンで帰らぬ人となった。