2013年11月10日日曜日

ザルツブルク・モーツアルテゥム管弦楽団茅ヶ崎文化会館  1988.11.25
指揮:ハンス・グラ―フ

作曲モーツァルト

演題:モーツァルト

交響曲第40番ト短調K.550
フルート協奏曲第2番K.314/フルート;ジャン・ピエール・ランパル
交響曲第41番「ジュピター」K.555

小林秀雄の名著「モーツァルト」の有名な冒頭の一節は、「もう20年も昔の事を、どういう風に思いだしたらいいいかわからないのであるが、僕の乱脈な放浪時代のある冬の夜、大阪の道頓堀をうろついていた時、突然、このト短調シンフォニィの有名なテーマが頭の中で鳴ったのである。・・中略・・、脳味噌に手術を受けた様に驚き、感動で震えた。百貨店にかけこみ、レコードを聴いたがもはや感動は還って来なかった。」・・第40番のアレグロ部分についての記述である。

第41番の「ジュピター」、そして39番とモーツァルトは3大交響曲をわずか6カ月で書きあげたが、まんなかに位置する40番は、悲しみに彩られた多様の響きのなかにもロマン的な美しい情緒の起伏が聴く人の心を捉える。
第41番の「ジュピター」は、輝かしく壮麗で力強く、情緒的な40番と対照的である。

ランパルの奏でるフルート協奏曲は、名手のフルートの高雅な歌が、空に舞い上がり舞い下がる。