1987.3.14~3.16~3.18~3.20~3.22~3.26~3.30~4.1、全8日
8日の連続演奏会であった。44歳の彼にしても8回の演奏・延べ20日にわたる格闘を征服する労力は大変なものだ。すでにCDで全曲録音盤もリリースされているが、ナマ音楽はまったく別の魅力にあふれていると思う。
始めてバレンボイムの演奏を聴いたフルトヴェングラーは、「バレンボイムは驚くべき天才だ」と語ったという。
評論家の中河原理氏は、「音楽はすっかり手のうちに納まって、それを思うがままに紡ぎだし繰りだしてゆくかのよう。柔らかいタッチ、明るい音色、音量とテンポの自在な組み合わせから生じる彫りと明暗の交差、音楽はこうありたい。」と述べている。
私は、8日のうち2度欠席し、6日間通った。鋭敏な感受性、説得力、スケールの大きさを感じた6日であった。特にハンマー・クラヴィーアが好かった。
演題
3.14 ソナタ1番OP2-1
ダニエル・バレンボイム |
ソナタ29番OP.106(ハンマー・クラヴィーア)
3.16 ソナタ13番OP.27-1
ソナタ7番OP.10-3
ソナタ27番OP.90
ソナタ21番OP.53(ワルトシュタイン)
3.18 ソナタ15番OP28(田園)
ソナタ3番OP.2-3
ソナタ30番OP109
ソナタ24番OP.109
3.20 ソナタ16番OP.31-1
ソナタ14番OP.27-2(月光)
ソナタ6番OP.10-2
ソナタ31番OP.110
3.26 ソナタ8番OP.13(悲愴)
ソナタ12番OP.26(葬送)
ソナタ25番OP.79
ソナタ28番OP.101
3.30 ソナタ5番OP.10-1
ソナタ11番OP.22
ソナタ19番OP49-1
ソナタ20番OP.49-2
ソナタ23番OP.57(情熱)