2011年9月28日水曜日

ダン・タイ・ソンピアノリサイタルサントリーホール1989.2.13
演題
ダン・タイ・ソン
ラフマニノフ:樂興の時OP.16
ショパン:序奏とボレロOP.19
ドビュッシー:前奏曲第1集

覚書
ダン・タイ・ソンは、1980年東洋人初のショパン・コンクール優勝者となった。ハノイで生まれ、ピアノ教授であった母の厳しい指導のもと、戦火をさけ農家に疎開し、自然と遊びながら、夜更けのランプの光の中でショパンを練習した。
粟津則雄氏はいう。「彼の演奏は、独特の自然体で、本能的に身構える所が無く、低音は深ぶかと鳴り、高音は軽やかに鳴り、最強音をたたいても、再弱音を鳴らしても、いささかもこの自然体が崩れることが無い。」
ラフマニノフの樂興の時は、神経症を病む前の最後の充実した時につくられ、哀愁、軽快、円熟が伺われる初期の作品である。
ショパンの序奏とボレロはスペイン舞曲のリズムで作られ、ショパンの少年時代の作ともいわれる。
ドヴィッシ―な前奏曲は、彼最大の傑作と言われている。日常親しんでいる曲が多く、気楽に聴ける。
亜麻色の髪の乙女、沈める寺、吟遊詩人、西風の見たもの、野をわたる風、帆、などである。