2013年12月7日土曜日

フランクフルト放送交響楽団茅ヶ崎市政40年記念 
 1987.11.07         
 指揮:インバル 
インバル
 演題:
     ベートーヴェン 交響曲8番

      マーラー    交響曲5番

フランクフルト放送交響楽団は、1973年初来日以来今回が5度目である。第2次大戦のあと、カール・ベームが首席指揮者となり、質的飛躍をとげた楽団だ。インバルは初めての来日?らしい。

ベートーヴェンの第8交響曲は、第7番と一緒に初演されたが、7番ほど良くは批評されなかった。
しかしベートーヴェンは、第7番を大交響樂、第8番を小交響曲と呼んだと言う。私はこの二曲は対照的だと思う。7番の溢れる情熱的響きに対し、8番はゆったりとした田園の寛ぎがあり、ともにベートヴェンの心情を表現している。

インバルのマーラーは、彼のマーラ交響曲の全曲録音により、愛好家に知られている。マーラーの演奏ではインバルとベルティーニが双璧だろう。
マーラーの第5番は純粋な器樂交響樂で、自信に満ちた、しっかりした構築により人生と現実を直視し、新しい音楽を創造している。特に歌謡性が強く、マーラーは常に唄っている。ウィーン第一と言われたアルマ・マーラーを妻に迎えて、彼の人生で最も幸福であった時の作曲だから。

かって、マーラー9番を、ベルティニ―指揮でサントリーホールで聴いた。その時は特に出来が良く、最終楽章で涙が止まらなかった記憶がある。マーラーは、あらゆる試みをしていて、奥が深いと思う。

インバルの頭髪を長く後ろで結ぶ独特の風貌は変わらなかったが、音楽の全体像は明確になっていた。

愛聴盤:
 ベートーヴェン 8番
   フルトヴェングラー ベルリンSO
   ワルター コロンビアSO.
 マーラー  5番
   インバル フランクフルト放送SO.
   バーンスタイン ウィーンO.
   べルティニー ケルン放送SO.
   ワルター  ウィーンPO.