2014年12月6日土曜日

ウィーン国立オペラ  ウィーン国立劇場  1986.12.28

演題:ベートーヴェンフィデリオ

指揮:ハインリッヒ・ホルライザー


出演者
フロレスタン:ジェームス・キング
レオノ―レ:ギネス・ジョーンズ
ドン・ピツアロ:ハンス・ヘルム
ロッコ:クルト・モル
マルツェリーネ:エリザベス・ガレ

感動は人を無言にする。涙が止まらなかった。フィデリオは、ベートーヴェンの唯一のオペラである。
物語は、女性に裏切られ続け、婚約者テレーゼからは婚約解除され、唯一愛した甥カールに自殺されたベートーヴェンが、夫フロレスタンを暗殺者の手から救い出すためにフィデリオに変装した妻レオノーレとの夫婦愛と、フィデリオに恋した若い娘の失恋を、「相思相愛の歓び」、「片思いに悩む者」の2極として、作曲したものでである。共通の人間愛を賛美するベートーヴェンらしいオペラだ。
「フィデリオ」は、ベートーヴェン自身の現実でもあったのだ。

指揮者ホルライザ―は、ギネス・ジョーンズと相性が良く共演が多い。
当演出者の5名は当代最高の組み合わせであった。

第1幕のレオノ―レの有名なアリアは、ダイナミックに難曲をうたい、ギネス・ジョーンズの高い技術を伺わせた。

それにしても、絢爛豪華なキャストである。巨匠カール・ベームは「フイデリオ」を(自分の運命のオペラ)と呼び録音したレコードは名盤となっているが、フロレスタンとレオノーレは、当出演と同じ組み合わせであった。

私は、偶々聴くことが出来、僥倖に感謝する。


愛聴盤:フィデリオ
     指揮 ジョージ・ショルティ
        シカゴSO.