2015年1月1日木曜日

ボローニア歌劇「ドン・カルロ」を回想する

神奈川県民ホール  1998.10.11

作曲ヴェルディ

指揮:ダニエレ・ガッティ

配役

エリザヴェッタ―・ディ・ヴァロア/ダニエラ・デッシー

ボローニア歌劇場
エポリ公女/グロリア・スカルキ

ドン・カルロ/アルベルト・クビート

フイリッポ二世/ニコライ・ギャウロフ

ロドリーゴ/バオロ・コ―ニ

ドン・カルロは、悲しいオペラだ。登場する全ての人物が満たされぬ苦悩をもっている。しかもオペラの終わりまで望みが満たされず、希望は実現しない。
登場人物だけではない。作曲家ヴェルディは、統一された愛するイタリアの現実に失望する。その悩みの中から「運命の力」につずき「ドン・カルロ」が生まれた。

指揮者ガッティは、ミラノ生まれで27歳でミラノスカラ座にデビュー、以来数々の歌劇場の首席指揮者を歴任し、2016年からコンチェルトへボウ管弦楽団の首席指揮者に就任予定である。


私は、井上ひさしが書いた「ボローニア紀行」を読んだ。ボローニアは知的な教育の街だ。ここには歴史に流されないどっしりした人間の営みがある。だからボローニア歌劇は2百数拾年生きながらえてきたのだろうと思う。