2015年1月3日土曜日

バイエルン国立歌劇場[コシファントッテ」を回想する

東京文化会館   1988.12.07
第一幕

歌劇「コシ・ファン・トゥッテ」全2幕

作曲:モーツアルト

指揮:ウオルフガング・サヴァリッシュ
出演:フイオルデイリージ:ユリア・ヴィラディ
ドラヴェルラ:トゥルデリ―ゼ・シュミット
デスピーナ:ジュリー・カウフマン
合唱:バイエルン国立歌劇場合唱団

サヴァリッシュは3度目の来日、1964年NHKを指揮し、いらい定期演奏会の常連指揮者となったが82年からバイエルンの総監督となり堅実な旋律、繊細な音の演奏でファンを魅了した。
サヴァリッシュの指揮:彼の指の美しさは格別である。指先から音が流れる。

サヴァリッシュ
モーツアルトは、この時期妻コンスタンツェとの葛藤があり、コシファン・トゥッテの背景が整っていた。
「女はみなこうしたもの」この音楽の自然発生の要素が傑作を生んだとみることが出来る。

ベートーヴェンをしてあまりにも軽薄と言わしめた,ふざけた筋書きだが、男女4人の愛の綾が最後は喜びと涙で終わる。


ユリア・ヴィラディ





ユリア・ビラディは、F.ディスカウと結婚、美人だ。歌唱力も良く、曲の分析力にもすぐれている。
モーツアルトのオペラにはヴェルディやプッチーニに無いふざけた唄が多い。仮にこれをモーツアルトのロマン主義と呼ぼう。
ドン・ジョバンニの「奥さん、これが恋人のカタログ」、フィガロの「もう飛ぶまいぞこの蝶々」、魔笛の「可愛い娘か女房がいれば」等々枚挙に暇なしである。
モーツアルトの音楽が広く現代に愛好されているのは、このロマン主義にもよるものではなかろうか。