2015年1月3日土曜日

メロス弦楽四重奏団結成25年記念コンサート

サントリー小ホール  1990.3.26

メロス・カルテット
出演

第1ヴィオリン:ヴィルヘルム・メルヒャー

第2ヴィオリン:ゲルハルト・フォス

ヴィオラ:ヘルマン・フォス

チェロ:ペーター・ブック

演題:

ベートーヴェン  弦楽四重奏曲第13番OP150

ベートーヴェン  大フーガ変ロ長調OP133

シューベルト   弦楽四重奏曲第14番ニ短調 D.810[死と乙女」

「メロス」の名は、メルヒャーとフォスを融合したものだ。スメタナ、アマデゥス無きあと現役として最高の技量を持っている。彼らの演奏は、一貫して暖かく、みずみずしい感性がある。私は大好きなモーツァルトのハイドンセットをメロス(1977年録音)で聴くが見事な演奏で飽きない。
ベートーヴェンの2曲は元同じ曲であったが、長すぎでフーガのみ独立させた。13番の第5楽章はベートーヴェン自身が特に感動して書いたと言われており、絶妙な美しさをもっている楽章である。

「死と乙女」は、シューベルト独自の歌謡性を持つ、ロマン的抒情と、しかも力強い音楽であり、シューベルトでもっとも演奏回数の多い曲である。短調の暗さが乙女の死を美化している。私はこの曲が大好きで毎朝きいて仕事にでかけるという人を知っていた。その人はある朝上から下まで黒衣装ででかけ仕事場で倒れ亡くなった。不思議な出来事であった。