1991.5.17 サントリーホール
演題:W.A.モーツァルト
ソナタ第15番ハ長調K.545
幻想曲ハ短調K.475
ソナタ第14番ハ短調K.457
グルックの「メッカの巡礼」のアリエッタK.455
ソナタヘ長調K.533+494
ソナタ第15番の第2楽章アンダンテは、モーツアルトのピアノ曲中最高峰と言われるが、冒頭の苦悩と激しさが再現部とともに尊い静けさへと導かれてゆく。第2楽章では左手で浮かび上がってくる絶妙な隠された旋律が、豊かな詩情をかもしださせている。
幻想曲ハ短調は即興的に変化する樂想が織り出されていてニ短調とともに独特の力を感じさせる。
グルックのメッカの巡礼はオペラの原曲の変奏曲であり単純な主題から最大の興味を持たせた。